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 愛車ティグラとの出会い

僕の愛車オペル・ティグラとの出会いは、忘れもしない、1995年9月、アパレル業界出身であった私が、ファッション情報収集と現地の仕入れルートの開拓、製品買い付けの任務を命じられてイタリア・ミラノの地に到着----まさにその時だった。

空港を出ると、ホテルに向かうタクシーの窓際から、日本のかつての2ドアクーペの名車「セリカリフトバック」に少し似た、しかし日本車には見られない独特のフォルムを持ったスポーツカーが、比較的空いている高速道路で、ゆっくり走るタクシーやワゴン車を左に右に、ビュンビュン追い越して走り抜けていくーーその姿に釘付けになったのだ!

そのスポーツカーこそ、帰国後すぐに輸入代理店の大手ヤナセを通して購入し、20余年経った今も大事に乗っているオペル社ティグラだった。

日本では、その斬新なフォルムとヨーロッパ車にありがちな故障の多さや燃費の悪さで敬遠され人気がなく、購入後4、5年で輸入中止になった。

一方当時のイタリアでは人気があり、毎日街角で見ない日は無かったくらいである。

オペル社はドイツの会社だが、中でも同社のスポーツクーペであるティグラは、スピード狂の多い事で知られるイタリア人には人気が高かった。

ティグラとはイタリア語でタイガー「虎」の意味であり、獰猛な虎が獲物を捉えようと猛走する姿をイメージしてデザインされたそうだ。

ティグラはドイツ製だが、カーデザイナーはイタリア人とのことであった。感性の高いイタリア人ならではのフォルムだなと痛感したものである。

今思えば、あの時、20数年前にイタリアの地に降りたった時、もしタクシーの中から見た颯爽と走り抜ける、ティグラの姿に心を奪われていなかったら、現在のティグラは無かっただろうと思うと、運命的な巡り合わせを感じる今日この頃である。